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本日開館

滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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リニューアル記念展

ボイスオーバー 回って遊ぶ声

会期 2021年9月18日(土)〜11月14日(日)

展示室1 撮影:来田猛

展示室2 撮影:来田猛

展示室3 撮影:来田猛

開催概要

 本展は滋賀県立美術館のコレクション約1800件を中心に、選りすぐりの作品167件を、ジャンルや年代の別なく紹介する、回遊式の美術館を舞台にした展覧会です。

 作品をよく見ることは、作品の「声」を聞くことと似ています。その声に耳を澄ますと、思いもよらない作品同士の繋がりが聞こえてくるかもしれません。例えば日付が淡々と描かれた絵画と、とげのある生き物のような陶の作品。室町時代の近江の風景と、オセアニアの楽園。このように、これまで当館では同じ部屋で展示されることがほとんどなかった4分野のコレクション ——近代日本画、郷土美術、現代美術、アール・ブリュット—— を、今回は「声」を聞くことで結んでいきます。
 
 さらに本展に招いた3組のゲストアーティストは、声の聞き方はそれぞれであることを軽やかに示してくれます。 緻密かつ大胆なサーチを軸に多様な表現方法を展開する田村友一郎(1977-)は、アンディ・ウォーホルの作品に表れるイメージそのものに着目し、そこから導き出した因果関係を多様なマテリアルにのせて交差させていきます。「うつす」仕事を通じ、消えゆくものの価値に光を当てる中尾美園(1980-)は、当館の設立と深いかかわりのある画家・小倉遊亀をテーマに、作品を残すこと/残ることの意味を我々に問いかけます。そして建築家ユニットのドットアーキテクツは、休館中の学芸員たちの活動記録をベースに美術館の意外な景色を提示します。こうした彼ら自身の声もまた、美術館の中に木霊することでしょう。

 ボイスオーバーとは、映画などの画面に現れない話者の声を、あるいは元の音声言語に翻訳したもう1つの音声を重ねるナレーションの手法を指す言葉です。こうした声の重ね方は、作品を長く保存し展示する過程で少しずつ新しい意味を見つけて加えていく、美術館の役割そのものともリンクします。美術館とは、作品とそれを見る私たちの声が交わり、調和するのではなく、むしろ鳴り響く場所です。この展覧会が、作品とみなさんの「声」とに満たされる豊かな雑踏になりますように。

全館を使ったコレクションによる企画展、近現代美術・日本画・工芸など167件を一挙公開

  • 当館の所蔵する日本画、郷土美術、現代美術、アール・ブリュットの約1,800件のコレクションを中心に、選りすぐりの作品167 件ジャンルや時代の別なく紹介
  • ギャラリーを含めて全ての展示室を会場とする、建物の特徴を活かした回遊式の展覧会は近代美術館時代を含めて初の試み
  • 当館設立のきっかけとなった小倉遊亀本人寄贈の作品22件をすべて展示(会期中に展示替えを行います。)また、アンディ・ウォーホル2件20点、館内で初公開する2016年から収集を始めたアール・ブリュット作品など、コレクションの代表作を一挙公開
  • 白髪一雄が延暦寺で修行した際に制作した《不動尊》(当館寄託)と同寺が管理する重要文化財《不動明王二童子立像》(玉蓮院)を同じ空間で展示
  • この度発見された小倉遊亀の代表作《裸婦》(1969年に焼失)の大下絵を公開
  • 当館のコレクションに加えて、3組のゲストアーティストによる新作を展示し、当館のコレクションや美術館の活動についての新たな視点を提示

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主な出品作品

チラシデータ

ダウンロード(3.4MB)

作品リスト(日本語)

ダウンロード(403KB)

List(English)

Download(145KB)

志村ふくみ《聖堂》

志村ふくみ《聖堂》

1992年
滋賀県立美術館
(9月18日-10月17日展示予定)

アンリ・マティス《オセアニア 海》

アンリ・マティス《オセアニア 海》

1946年
滋賀県立美術館

アーシル・ゴーキー《無題[バージニア風景]》

アーシル・ゴーキー《無題[バージニア風景]》

1943~44年頃
滋賀県立美術館

コンスタンティン・ブランクーシ《空間の鳥》

コンスタンティン・ブランクーシ 《空間の鳥》

1926年(1982年鋳造)
滋賀県立美術館

速水御舟《洛北修学院村》

速水御舟《洛北修学院村》

1918年
滋賀県立美術館

狩野派《近江名所図》(右隻)

狩野派《近江名所図》(重要文化財)

(右隻)
室町時代(16世紀後半)
滋賀県立美術館
(10月19日-11月14日展示予定)

狩野派《近江名所図》(左隻)

狩野派《近江名所図》(重要文化財)

(左隻)
室町時代(16世紀後半)
滋賀県立美術館
(10月19日-11月14日展示予定)

小倉遊亀《月》

小倉遊亀《月》

1965年
滋賀県立美術館

野口謙蔵《村の子供》

野口謙蔵《村の子供》1932年頃 滋賀県立美術館

野口謙蔵《村の子供》

1932年頃
滋賀県立美術館

澤田真一《無題》

澤田真一 《無題》

制作年不詳
滋賀県立美術館

《不動明王二童子立像》

重要文化財《不動明王二童子立像》

鎌倉時代(13世紀)
玉蓮院(管理団体 延暦寺)

図録エッセイ

保坂健二朗「孤高のコレクションは、今後どこに向かうか」
渡辺亜由美「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」

ドキュメント

「ボイスオーバー 回って遊ぶ声 documents」(5MB)

会期

2021年9月18日(土)〜11月14日(日)

会期中展示替えを行います。
 *前期:9月18日(土)〜10月17日(日) /
 *後期:10月19日(火)〜11月14日(日)

休館日

毎週月曜日。ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌日火曜日が休館。
(9月20日(月・祝)は開館し、9月21日(火)は休館します)

開館時間

9:30-17:00(入館は16:30まで)

会場

滋賀県立美術館 展示室1-3、ギャラリー

観覧料

一般 1,200円(1,000円)、高・大生 800円(600円)、小・中生 600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳等をお持ちの方は無料
常設展示の料金で展示室1・2を観覧可
※毎週日曜日は「木の家専門店 谷口工務店 フリーサンデー」のため、展示室1・2の観覧は無料(展示室3の観覧には、上記の観覧料が必要)

無料観覧の日

木の家専門店 谷口工務店 フリーサンデー(毎週日曜日)
9月19日(日曜日)の展覧会から、令和3年度の毎週日曜日は、木の家専門店 谷口工務店様のご協力により、常設展示の観覧がどなたでも無料になります。
リニューアル記念展「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」では、毎週日曜日、展示室1および展示室2の観覧が無料となります。(展示室3の観覧には、別途観覧料が必要です(一般の場合1,200円)。)

主な出品作家

イケムラレイコ、アンディ・ウォーホル、小倉遊亀、河原温、草間彌生、アーシル・ゴーキー、澤田真一、志村ふくみ、白髪一雄、塔本シスコ、野口謙蔵、速水御舟、コンスタンティン・ブランクーシ、ジャクソン・ポロック、アンリ・マティス、横山大観、李禹煥、マーク・ロスコ ほか

主催

滋賀県立美術館

協力

京都市立芸術大学

グラフィックデザイン

塩谷啓悟

企画

渡辺亜由美(滋賀県立美術館 学芸員)

作家プロフィール

田村友一郎《消えた沈黙》2021年 (photo by the artist)

田村友一郎 TAMURA Yuichiro

1977年、富山県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業、東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了。既存のイメージやオブジェクトを起点に、飛躍や連想を重ね、時空を超えた複層的な景色をたちあげていく。映像や小説、インスタレーションなど、表現方法は幅広い。京都市在住。

中尾美園《不在/存在をゆききする》(部分)2021年

中尾美園 NAKAO Mien

1980年、大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科保存修復専攻修了。絵師として修復工房での補彩作業や、仏画や日本画の制作を手がける。近年は対象を丹念に「写す」ことで、ものに内在する時間や歴史の層を汲み取り伝統や慣習が伝え残すことやそれらの変化をテーマに作品を発表している。京都市在住。

ドットアーキテクツ《美術館の4年間の記録》2021年

ドットアーキテクツ《美術館の4年間の記録》2021年 (photo by Koroda Takeru)

ドットアーキテクツ dot architects

2004年に設立。大阪・北加賀屋にて、「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」コーポ北加賀屋を拠点に活動。設計、施工のプロセスにおいて専門家・非専門家に関わらず様々な人との恊働を実践している。設計だけに留まらず、現場施工、リサーチプロジェクト、アートプロジェクトなど様々な企画にもかかわる。現在のメンバーは家成俊勝、赤代武志、土井亘、寺田英史、池田藍、宮地敬子、石田知弘の7名。

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