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滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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企画展

ポップの目─アーティストたちは現代文化に何を見たか─

会期 2013年09月07日~2013年10月06日

開催概要

ポップ・アートは1950年代半ばのイギリスで生まれ、60年代のアメリカで花開き、70年代初頭にかけて全世界的に大きな影響をふるった現代美術の運動です。ポップ(ポピュラーの略。親しみやすい、誰でも知っている、の意)の名の通り、ポップ・アートの多くは現代人なら誰でも知っている有名人や商品のパッケージ、時事の出来事、名画やマンガのイメージなどを作品のモチーフに用いました。そこには戦後の大量生産・大量消費社会と、マスコミ、マスメディアの発達がもたらした爛熟した現代大衆文化、そして公民権運動やベトナム戦争に揺れる1960年代アメリカ社会の矛盾に満ちた赤裸々な姿が反映されており、これらポップ・イメージは時代を象徴するわかりやすいイコン(聖図像)として、また社会を辛辣に風刺する写し鏡として、アートという枠を越えて現代文化、若者文化全般に広い影響を及ぼしました。

本展は、彼らポップ・アートの作家たちが現代社会に何を見たかを中心コンセプトに据え、戦後アメリカ美術の大規模なコレクションで知られる滋賀県立近代美術館のコレクションを通して、1960年代アメリカン・ポップ・アートをいま一度振り返ろうとする試みです。マリリン・モンローら有名人の肖像やキャンベル・スープ缶などを没個性に飽きもせず反復したアンディ・ウォーホル。マンガの一コマを謎めいた永遠の図像に変えたロイ・リキテンスタイン。柔らかい素材で日用品を異様な物体に変えたクレス・オルデンバーグ。都会人の孤独を真っ白な人間の抜け殻で表現したジョージ・シーガル。混迷のベトナム戦争と狂騒の現代文化をビルボード(看板)的に表わしたジェームズ・ローゼンクイスト。底抜けに明るくも退廃的な現代の裸婦像を完成させたトム・ウェッセルマン。等々。本展ではポップ・アートとその背景となった現代文化との関係に注目しつつ、作家たちが作品の中に表現した諸要素をわかり易く読み解いてゆきます。

併せて、ポップ・アートの先駆者であるロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズ、それに篠原有司男や赤瀬川原平ら日本のアーティストたちの作品も展示し、さらにポップ・アートの精神を受け継ぐ90年代シミレーショニズムの作家たち(森村泰昌など)の作品も展覧します。特にラウシェンバーグが滋賀県の信楽に滞在して制作した大掛かりな陶製の作品4点はめったに見る機会のないユニークなもので、当館では20年ぶりの公開となります。

激動の20世紀をひとまず乗り越えた現代の我々に、ポップ・アートの作品群は再び何を教えてくれるのでしょうか。

会期

2013年09月07日~2013年10月06日

休館日

毎週月曜日。
ただし9月16日(月・休)・23日(月・祝)は開館し、翌17日(火)・24日(火)休館

観覧料

一 般 750円(550円)
高大生 500円(400円)
小中生 300円(250円)
( )内は前売および20名以上の団体料金
ローソンチケットでお買い求めの前売券は、当館総合受付(チケットカウンター)にて観覧券とお引き換え下さい。 Lコード 53961

主催

滋賀県立近代美術館、京都新聞社

後援

滋賀県教育委員会、BBCびわ湖放送

本展のみどころ

豊富な作品でアメリカン・ポップ・アートの全貌を紹介

ポップ・アートの展覧会は数あれど、その全貌を概観するような展示は意外と行われていません。本展は戦後アメリカ美術の大規模なコレクションで全国的に知られる滋賀県立近代美術館が所蔵するアメリカン・ポップ・アートの名品を余すところなく展示し、また日本や欧州の関連作品も加えるという贅沢な展示となっています。さらにただ作品を展示するだけではなく、描かれたイメージの読解を中心とした解説も充実させ、広い範囲の美術ファンにアピールする内容となっています。

ラウシェンバーグの幻の作品を公開

ネオ・ダダの巨匠ロバート・ラウシェンバーグは滋賀県の甲賀市信楽町で制作を行い、写真製版陶板を利用した一連の作品を残しています。彼自身が日本で撮影したキッチュな写真を用いたユニークな作品群であり、その一部は滋賀県立近代美術館にも収蔵されています。ところがその中の「ダート・シュライン(北)」「ゲート(北)」の2点は設置が大変なため、常設展示室でも滅多に公開されない幻の作品となっています。本展はそれらを含めた4点の陶製作品を、平成6年以来約20年ぶりに一度に展示公開する絶好の機会となります。ラウシェンバーグの80年代以降の作品を予告する重要な作品群です。