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企画展
開館5周年記念 戦後アメリカ絵画の栄光 1950年代/60年代
会期 1989年07月22日~1989年09月17日
開催概要
開館5周年記念展のひとつとして開催したもので、収集方針のひとつ現代美術の中心である、1950~60年代のアメリカ絵画に焦点をあてた展覧会である。 第二次世界大戦後のアメリカ絵画は、ヨーロッパ美術の伝統主義を打ち破り、新しい美学と方法論を確立した。1950年代に現れた抽象表現主義と呼ばれる一連の絵画は、その抽象性、スケール、身振りによって、独創的な絵画世界を生み出し、現代美術のその後の展開を決定づけるものとなった。これに対し、50年代末期に起ったネオ・ダダは具象イメージを積極的に取り込んだ表現を試み、続く60年代初頭のポップ・アートの誕生に大きな影響を与えた。ポップ・アートは大量生産やマス・メディアによって増殖されたさまざまなイメージ -商品、漫画、広告、スターなど- を現代社会における自然として捉え、これらを即物的に表現することによって、美術と大衆との接点を見出した。
このように50年と60年代のアメリカ絵画には抽象と具象という表現上の異なりが見られるが、これらはそれぞれの時代精神を敏感に感じ取った芸術家たちの所産であり、これによってアメリカ絵画は栄光の時代を築き上げたのである。
本展では1950年代/60年代を代表する25作家の57点を展示し、アメリカ現代絵画の本流を展望しようとするものであった。
- 会場
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企画展示室1・2、ギャラリー
- 観覧者数
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12,881人 (一日平均 258人、一日最高 773人)
- 関連行事
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○記念講演会 「アメリカの前衛:抽象表現主義からポップ、ミニマリズムまで」
平成元年7月23日(日) 於:講堂
講師:アービング・サンドラー(美術史家、ニューヨーク州立大学教授)
○日曜美術鑑賞会
平成元年8月13日(日)、9月10日(日) 於:講堂
講師:小林昌夫(当館学芸員)
- 図録
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285×215mm、176ページ(カラー作品図版57点、モノクロ参考作品図版21点)
編集・発行:滋賀県立近代美術館
制作:日本経済新聞社
内容:○イントロダクション:小林昌夫
○論文:「抽象表現主義再考」 アービング・サンドラー、「ネオ・ダダ-ジョーンズとラウシェンバーグ」尾野正晴、「ポップ・アートの絵画」 小林昌夫
○作品略歴:平田健生、安田篤生
○展覧会歴、文献目録:占部敏子編
○年表:小林昌夫編
- 新聞関連記事
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読売新聞 平成元年7月20日(夕刊) 「分断された時代精神反映」 小林昌夫
京都新聞 平成元年8月5日(朝刊) 展評 F
平成元年7月25日~29日(夕刊)
「美の開拓者たち」 (5回連載) 太田垣實、藤慶之
- 主催
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滋賀県立近代美術館、日本経済新聞社、京都新聞社
- 後援
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アメリカ大使館