当館の建築的な特徴を列記すると以下のようになるでしょう。
- 公園の中に立地していて、北側には日本庭園(設計:伊藤邦衛)が隣接している。
- 展示室1(509㎡)と展示室2(360㎡)を収める建物、展示室3(996㎡)を収める建物、そしてギャラリー(478㎡)を収める建物が、ガラス張りの回廊でつながっているという構成になっている。
- その回廊が囲む中庭や北側の庭には、アレクサンダー・コールダー、ドナルド・ジャッドなどの彫刻が展示されている。
- 外壁に信楽焼による炉器(せっき)質タイルが使われている。
当館の建築的な特徴を列記すると以下のようになるでしょう。
この建物の設計者は、株式会社日建設計。その中心となった担当者は、大阪事務所の小角亨でした。同じ担当者が設計に携わったミュージアムとしては、1970年竣工の有芳園西館(現・泉屋博古館)や1973年竣工の倉吉博物館などが知られています。彼らが選ばれたのは、いわゆるコンペを経てのことでした。その経緯の概略は次のようになります。
それから30年以上が経ち、展示室や設備等を、現在の美術館に求められる水準に更新する等の老朽化対策と、キッズスペースやラボ等の整備を行う等の改修工事が実施されました。このうち、エントランスまわりのウェルカムゾーンと呼ばれるエリアを中心に、デザイン統括、内装設計を行ったのが、大阪に拠点を置くgrafです。VIやサイン計画はUMA / design farmが担当。また、照明やベンチ、カフェやショップのタイル、 案内サインには、滋賀県の信楽を拠点にするNOTA & designが製作したもの、つまり信楽焼が使用されています。
(以上文中敬称略)