トゲトゲの不思議な生き物でしょうか。いくつもの顔がこちらを見ているかのようです。澤田真一は滋賀県に生まれ、現在も当地で制作している作家です。幼少期から精巧な紙細工などを作っていましたが、福祉作業所で出会った作陶指導者とともに作陶を始めました。作業所での仕事のかたわら、山中にある穴窯を備えた陶芸工房で制作しています。澤田の作品の特徴は、表面全体を覆う小さなトゲと線刻による、個性的で力強い造形です。その作品は、現代アートの祭典「ヴェネチア・ビエンナーレ」で紹介されるなど、国内外で高い評価を受けています。