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滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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企画展

現代芸術の予言と魔術 マン・レイ展

会期 1985年03月02日~1985年04月07日

開催概要

ダダ・シュールレアリスムの鬼才マン・レイ(1890-1976)に対する評価は、近年ますます高くなっている。1980年頃より台頭してきたニュー・ペ インティングという新しい現象とともに、近代主義以後(ポスト・モダニズム)という新しい概念が問題にされている昨今である。マルセル・デュシャンとならんで現代芸術の予言者と称されるマン・レイが注目を集めていることは、欧米の近代主義の検証ということから考えてみても、当然のことといえるのである。本展は、マン・レイの写真家としての側面に焦点を絞って、彼の芸術の本質を探ろうとするものであった。
 マン・レイの芸術は、絵画、オブジェ、写真、映画、グラフィックなど多岐にわたり、そのいずれにおいても既成の概念にとらわれない自由な精神と卓抜な感 覚を示している。とりわけ、彼の写真は、レイヨグラフ、ソラリゼーションといった新しい技法を駆使し、写真の持つ可能性を拡げた。「最終的に表現される芸術の形式がどんなものであっても、それは楽しみや、おどろき、困惑、あるいは反省をよびおこすようにつくられるべきであって、技巧への賞賛をひきおこすものであるべきではない」(千葉成夫訳)と言うマン・レイは、技法に溺れることなく、肖像写真、ファッション写真、風景写真などを、芸術の高みにまで昇華させ、20世紀写真芸術の頂点をかたち作ったといえる。
 本展は、「セルフ・ポートレイト」「女性とヌード」「旅行と風景」「ファッションと仕事」「ソラリゼーション」「レイヨグラフ」といったように細かいコーナーに分けた写真作品300点余、オブジェ41点、版画38点等々およそ400点を展示する日本で初めての大規模なマン・レイ展であった。なお、この展覧会は神奈川県立近代美術館、三重県立美術館、そして当館を巡回した

会場

企画展示室1・2

観覧者数

8,465人 (一日平均 273人、一日最高 755人)

関連行事

○講演会 「鬼才マン・レイをめぐって」 (鼎談)
   昭和60年3月3日(日)  於:講堂
   講師:篠山紀信(写真家)、宮脇愛子(造形作家)、乾由明(京都大学教授・当館顧問)
○講演会 「マン・レイと写真」
   昭和60年3月31日(日)  於:講堂
   石原輝雄(マン・レイ研究家)
○映画会 「理性に帰る」 「エマク・バキア」 「ひとで」 「サイコロ城の秘密」
   昭和60年3月10日・24日(日)  於:講堂

図録

280×215mm、164ページ(カラー作品図版30点、モノクロ作品図版366点)
内容:○論文 「批判的思考のオブジュ」 ローザリンド・クラウス
          「マン・レイ」 ブリジット・エルマン

新聞関連記事

毎日新聞 昭和60年2月20日~26日(朝刊・滋賀版)  「マン・レイの光と影」 (7回連載) 中村隆夫
     昭和60年3月5日~9日(朝刊・滋賀版)  「マン・レイと私」 (5回連載)
       石原輝雄、竹内次男、浅岡慶子(美術家)、乾由明、北辻良央(美術家)
     昭和60年3月14日~20日  「マン・レイ展を見て」 (6回連載)
       クリーア・ガリアン(大学院生)、高橋優子(学生)、井上翠子、児玉広司(学生)、
       光田由理(学生)、田中将之
読売新聞 昭和60年3月15日(朝刊)  展評 中村敬治(美術評論家)
サンケイ新聞 昭和60年3月25日(朝刊)  展評 高橋亨(美術評論家)

主催

滋賀県立近代美術館、毎日新聞社

後援

ランス芸術活動協会、フランス大使館