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滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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イブ・クライン展

会期 1985年09月07日~1985年10月06日

開催概要

1962年に34歳という著さで夭折したフランスの現代作家イブ・クラインの日本で初めて開催された回顧展である。クラインが実際に美術家として活躍したのは、1950年代後半からその死までの数年間にすぎないが、その間モノクローム(単色)絵画をはじめ、「人体測定」や「火」のシリーズなど、次々に独創的な表現を開拓した。特にモノクローム絵画では、数ある色彩の中のただひとつ「青」にとり憑かれ、みずからの使用する青を「インターナショナル・クライン・ ブルー」と命名し、その一色だけによる作品を作り続けたのである。彼にとってこの青は、生まれ故郷のニースの海岸で見た空の色であるとともに、彼が求め続けた宇宙の根源的なエネルギー、宇宙的な感性と直接結びついている色であり、具体的なものとの関わりを持たない唯一の色であった。青で彩られたモノクローム絵画は、私たちを「物質的なもの」の束縛から解き放ち、無限の宇宙へいざなってくれるかのような探い精神性に満ちている。近年ヨーロッパやアメリカで相 次いで開催された大回顧展によって、ようやくクラインの全貌が明らかになってきたが、本展はこうした世界的機運を受け、高輪美術館、いわき市立美術館、西武美術館との共同で企画されたものである。

会場

企画展示室1・2

観覧者数

9,063人 (一日平均 349人、一日最高 1,087人)

関連行事

○講演会「イブ・クラインの芸術について」
昭和60年9月8日(日)  於:講堂
講師:乾由明(京都大学教授・当館顧問)

図録(共通版)

245×255mm、170ページ(カラー作品図版65点、参考図版等94点)
編集・発行:財団法人高輪美術館・滋賀県立近代美術館・いわき市立美術館・西武美術館・朝日新聞社
内容:○論文:「イブ・クライン-聖なる道化芸術家」 東野芳明、
「Ⅰ. モダンとポスト=モダンの間のイブ・クライン」/「Ⅱ. 20年後に」 ピエール・レスタニー
○項目解説:尾野正晴、佐々木吉晴、林牧人、土田久子
○イブ・クラインの言葉
○日本におけるイブ・クライン:土田久子編
○年譜:林牧人編  ○主要参考文献  ○展監会歴
≪今日のイブ・クライン≫(共通版と合本) 編集:滋賀県立近代美術館
内容:○論文:「イブ・クラインの色彩について」 尾野正晴、「イブ・クラインの『空間』-『空気の建築』の
射程をめぐって」 竹山聖、「イブ・クライン-その後のブルーの物語」 篠原資明

新聞関連記事

毎日新聞 昭和60年8月20日 (夕刊)  展評 田中幸人
朝日新聞 昭和60年9月6日 (夕刊)  展評 吉村良夫
読売新聞 昭和60年9月13日 (夕刊)  展評 中村敬治(美術評論家)
朝日新聞 昭和60年9月13日~22日 (朝刊・滋賀版)
「青の狩人 イブ・クライン展から」 (8回連載) 尾野正晴
京都新聞 昭和60年9月21日 (朝刊)  展評 藤慶之
サンケイ新聞 昭和60年9月23日 (朝刊)  展評 高橋亨(美術評論家)
奈良新聞 昭和60年9月27日 (朝刊)  展評 小池重二

主催

滋賀県立近代美術館、朝日新聞社

後援

外務省、文化庁、フランス大使館、フランス芸術活動協会