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滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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滋賀の現代作家展 小林敬生 -木口木版画 1977-2004 -

会期 2005年01月05日~2005年02月13日

開催概要

滋賀県ゆかりの優れた現代作家を、日本画、洋画、工芸、現代美術、写真など、幅広いジャンルの中から選定し、作家と作品の全貌を全国に向けて発信する、当館の独自企画「滋賀の現代作家展」の第3回目で、今回は、日本の木口木版を代表する作家の一人、小林敬生を取り上げた。
小林敬生は、1944年に島根県松江市に生まれ、10歳の時に、滋賀県大津市に移り住み、小・中・高校時代を琵琶湖の畔で過ごした。滋賀県立瀬田工業高校を卒業後、京都の美術専門学校に学び、その後、東京に移り、板目木版画や油彩画の制作を続けたが、1970年代中頃に、木口木版画と出会い、その虜となった。
木口木版は、黄楊や椿のような材質の堅い木を水平に輪切りにした面(木口)を、銅版画に用いるビュランやノミで彫って版を作る技法で、19世紀に、本や雑誌の挿絵の印刷技術として全盛を極めたが、写真製版の発達とともに衰退した。その木口木版を、複製技術としての実用性から解放し、独創的な芸術表現の手段として復活させたのが、日和崎尊夫とそれに続く何人かの版画家だった。小林敬生もその一人で、木口木版を始めて、わずか数年で独自の世界を築き上げ、高い評価を得るようになる。また木口木版は、本来、小画面の緻密な描写に向いた技法であるが、小林は1980年代後半より、版木を10枚以上も繋ぎ合わせ、大変スケールの大きい、ダイナミックな作品の制作を行っている。本展は、1977年に始まる木ロ木版画のシリーズを総括的に紹介するとともに、初期の板目木版の作品もあわせて展示した。

会場

企画展示室1・2

関連行事

○講演会と対談
講演会 「湖と私・そして版画」
講師:小林敬生(版画家・多摩美術大学教授)
対談 「琵琶湖をめぐって」
講師:小林敬生、中野嘉之(日本画家・多摩美術大学教授)
平成17年1月8日(土)   於:講堂
○日曜美術鑑賞会(展示品解説)
平成17年2月6日(日)   於:講堂
講師:占部敏子(当館主任学芸員)
○木口木版画ワークショップ(実技講習会) 4回連続
日時:平成17年1月9日、16日、23日、30日
講師:小林敬生  参加者21名

図録

285×225mm、96ページ(カラー作品図版22点、二色刷作品図版82点、モノク口作品図版16点)
編集・発行:滋賀県立近代美術館
内容:○論文:「小林敬生の木口木版画、その30年の軌跡」 占部敏子
○年譜   ○文献目録   ○出品リスト

新聞関連記事

新美術新聞 平成17年1月11・21日合併号  「滋賀の現代作家展 小林敬生」 占部敏子
京都新聞 平成17年1月22日(朝刊)  「細密な線 幻想的で力強く-小林敬生展」 岩本敏朗
毎日新聞 平成17年2月2日(夕刊)   「大画面へ、限りない白へ 版画家小林敬生 滋賀で回顧展」 石川健次
日本経済新聞 平成17年2月6日(朝刊)  「小林敬生の木口木版画 躍る生き物「環境」問う」 小島充

雑誌関連記事

版画芸術 126号(平成16年12月1日)
「インタビュー小林敬生 反骨精神こそ、描き続けるエネルギー」 インタビュアー・高浜利也
ギャラリー 237号(平成17年1月号)
「アーテイスト訪問記16 小林敬生 メッセージを発信し続け時代を予言してきた木口木版」 編集部