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滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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企画展

染め・織り・竹・陶の美展

会期 2004年02月21日~2004年04月04日

開催概要

この企画は当館の作品収集方針の一つである“郷土美術”に関連し、伝統的な技術をもとに滋賀県ゆかりの著名な作家によって創作された、優れた“工芸作品”を取り上げた。工芸には「用と美」あるいは「機能と装飾」という、一見、互いに矛盾するかにみえる二つの要素が、同時に一つの作品の中に要求されるという性質を孕んでいて、この矛盾とも思える「用と美」が工芸の本質を指し示している。つまり、工芸作品に求められるものとは、人が使用するものであることから、便利であるとか、手になじむ、手触りがよいなどの条件と、見て形が美しい、色合いがよいことなどが重要で、さらには丈夫であるということも大切になる。結局のところ、使い心地が良く、見た目に美しく、耐久性があって、素材も美しいことが工芸としての本質を物語っている。展示された作品を来館者が観覧し、それぞれの思いや好みによって選ばれる作品は、当然のように種々異なってくる。美術館では管理上、これらの展示作品を来館者が手にとって鑑賞することは無理だが、自分の好きな作品を選ぶことは自由であり、それらを思い巡らすこと自体とても楽しい。自分の物として手に入れることは叶わなくても、空想の範囲(バーチャルな世界)で好きな作品を所有することは自由である。
この企画では、優れた伝統を受け継いだ、身近な“工芸作品”をじっくりと楽しく観覧できるように配慮した。展示した作品は、森口華弘の友禅着物、清水卯ーの陶磁器、志村ふくみの紬織り着物、信楽焼の高橋楽斎、上田直方、大谷司朗の作品、そして、杉田静山の竹工芸作品など、国の重要無形文化財保持者(人間国宝)、滋賀県や信楽町(現甲賀市)指定の無形文化財保持者の作品を中心に、湖国滋賀や当美術館に関係のある作家の優れた工芸作品、約150点を一堂に詳しく紹介した。
また、開会直前の2月18日夜に陶芸作家の清水卯一氏が急逝され、各報道関係を中心に多方面からの取材や問い合わせが集中し、対応に追われた。清水卯一氏の訃報と同時に展覧会記事が報道・掲載され、故人を偲ぶ企画展としての役割も果たしたことになった。

会場

企画展示室1・2

関連行事

○日曜美術鑑賞会 「染め・織り・竹・陶の美」
平成16年2月29日(日)   於:講堂
講師:桑山俊道(当館・総括学芸員)

図録

296×210mm、8ページ(カラー作品図版13点)
編集・発行:滋賀県立近代美術館

新聞関連記事

(訃報と同時に展覧会開催記事)
読売新聞 平成16年2月19日(夕刊)、20日(朝刊)
「人間国宝 清水卯ーさん死去 新しい陶芸追い続けた」
京都新聞 平成16年2月19日(夕刊)、20日(朝刊)
「清水さん死去 比良の土・石で独創美『土こそわが師』独自の釉続々と」
朝日新聞 平成16年2月19日(夕刊)、20日(朝刊)
「鉄釉陶器の人間国宝 清水卯ーさん死去 滋賀で作品に幅」
産経新聞 平成16年2月19日(夕刊)  「人間国宝の陶芸家 清水卯ーさん死去」
中日新聞 平成16年2月20日(朝刊)  「中日春秋」
毎日新聞 平成16年2月20日(朝刊)  「人間国宝・清水卯ーさん死去 『残念』県内から悼む声」

主催

滋賀県立近代美術館