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企画展
滋賀の現代作家展
会期 2003年01月11日~2003年02月16日
開催概要
「滋賀の現代作家展」は、地元滋賀県ゆかりの優れた現代作家を、日本画、洋画、工芸、現代美術、写真などの幅広いジャンルの中から毎年選定し、作家と作品の全貌を全国に向けて発信する、当館の独自企画によるシリーズ展である。
第2回目の今回は、滋賀県守山市在住の画家、岡田修二を取り上げ、彼の絵画世界を紹介する初めての本格的な回顧展を開催した。
1959年香川県高松市に生まれた岡田修二は、1987年に愛知県立芸術大学大学院を修了後、大手広告代理店に入社。アート・ディレクターとして広告に関する企画制作などを手掛ける一方で、1991年頃から顕微鏡写真を用いた作品の制作を開始し、以降、様々な視覚イメージを駆使しながら、一貫して我々人聞がいかにしてモノを見ているか、その見るという行為そのものを絵画の主題として探求している。1994年からは大学の教員に転じ、後進の指導にあたりながら精力的に作品を発表し、新進気鋭の画家としてよく知られている。
顕微鏡写真を用いたレリーフ状の実験的な作品からスタートした岡田は、次第に顕微鏡から得られた微生物のイメージと、文字や記号のドゥローイングとを重ね合わせたダブル・イメージによるパネル構成作品くノートリアスの日記>/く遅延・束縛・停止>シリーズに移行し、1996年頃からは画面一杯に拡大された人間の顔や手のイメージに顕微鏡写真の画像を重ねたくTake>に到達する。一見、モノクロ写真と見紛うほどリアルに描かれたこのシリーズにおいて、岡田は日常の視覚世界と極小の視覚世界とをオーバー・ラップさせることで、絵画をめぐる視覚の本質を問う独特のスタイルを確立する。さらに近年では、自宅近くの琵琶湖畔の植物を描いたシリーズく水辺> を新たに展開している。
今回の展覧会は、近年の大型作品を中心に、初期のレリーフ作品から初公開の新作まで約30点の作品によって構成される大規模な回顧展となった。
- 会場
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企画展示室1・2
- 関連行事
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○講演会 「自作を語る」
平成15年1月19日(日) 於:講堂
講師:岡田修二(画家・成安造形大学助教授)
○日曜美術鑑賞会
平成15年1月26日(日) 於:講堂
講師:尾﨑佐智子(当館学芸員)
- 図録
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285×225mm、96ページ(カラー作品図版45点、モノクロ作品図版25点)
編集・発行:滋賀県立近代美術館
内容:○岡田修二メッセージ
○論文:「岡田修二 絵画-見ることへの問い」 尾﨑佐智子
○岡田修二へのインタヴュー
○作家の言葉 ○年譜 ○文献目録 ○出品リスト
- 新聞関連記事
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産経新聞 平成15年1月22日(朝刊)「岡田修二回顧展」 (早)
日経新聞 平成15年1月25日(夕刊)「岡田修二の回顧展 日常に極小世界重ねる」
京都新聞 平成15年1月25日(朝刊)「滋賀の現代作家展 岡田修二 神秘性帯びる抽象化」 太田垣實
毎日新聞 平成15年1月31日(夕刊)「絵画独特の魅力を発信 『なぜ描くか』問う岡田修二展」 岸桂子
信濃毎日新聞 平成15年2月4日(朝刊)「アトリエ訪問 画家 岡田修二さん」
朝日新聞 平成15年2月6日(夕刊)「テーブルトーク 岡田修二さん 琵琶湖畔で『試行錯誤』写真と似て非なる絵画」 森本俊司
- 主催
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滋賀県立近代美術館