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滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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企画展

ラファエル前派展

会期 2000年04月08日~2000年05月17日

開催概要

ラファエル前派は、ルネサンスの巨匠ラファエッロ以前の素朴で敬虔な精神性に溢れた美術に霊感を求め、美術の刷新を企てた運動で、19世紀半ばにイギリスで興った。ミレ-、ハント、ロセッティを中心とするラファエル前派は、アカデミーの遵守する規範や法則を打ち破り、真撃な態度で自然に接し、すべてを自然から直接写し取ろうとした。そして目に映ずるままの色鮮やかな色彩と精緻な細部描写を追求した。

 またラファエル前派は、聖書や神話、文学などの主題を愛好し、ダンテ、シェイクスピア、キーツ、テニスンなどの詩文学やアーサー王伝説のような中世騎士物語、おとぎ話などを好んで描いた。さらに可憐な乙女や妖艶な「宿命の女」など、様々な「ラファエル前派美人」の典型を作り上げた。しかし後期のラファエル前派は、初期の厳格なリアリズムから次第に離れ、幻想的、ロマン主義的な性格を強め、世紀末の唯美主義や象徴主義の流れと合体していった。
 本展は、ラファエル前派が愛好したテーマに基づき、「宗教と神話」「文学と寓話」「女性と恋」「風景-海と陸、都会と田園」「水と妖精」の5セクションから構成され、ラファエル前派の優れたコレクションで知られる英国、マンチェスター市立美術館の所蔵品を中心に、油彩、水彩、素描計91点を展示した。なお本展は、安田火災東郷青児美術館(現. 損保ジャパン東郷青児美術館)、足利市立美術館、近鉄アート館、郡山市立美術館、高知県立美術館に巡回した。

会場

企画展示室1・2

関連行事

○講演会 「物語る絵画とラファエル前派」

   平成12年4月16日(日)   於:講堂

   講師:河村錠一郎(帝京大学教授)
○日曜美術鑑賞会

   平成12年4月23日(日)   於:講堂
   講師:占部敏子(当館学芸員)

図録

290×222mm、200ページ(カラー作品図版97点、モノクロ参考作品図版118点)

編集・発行:有限会社アルティス

内容:○論文:「ラファエル前派とヴィクトリア朝のイギリス絵画」 クリストファー・ニューアル、
       「ラファエル前派-自然主義、象徴主義、そして唯美主義」 河村錠一郎
○作品解説・作家解説   ○ラファエル前派関連年表   ○参考文献       ○Bibliography

新聞関連記事

聖教新聞 平成12年4月9日(朝刊)  「5年ぶりの『ラファエル前派展』」 河村錠一郎
産経新開 平成12年4月11日~15日(朝刊)  「ラファエル前派展」  (5回連載) 占部敏子
産経新聞 平成12年4月16日(朝刊)  「くらしの美-ラファエル前派展」 生田誠
毎日新聞 平成12年4月20日(朝刊)  展評 岸桂子
京都新聞 平成12年4月22日(朝刊)  展評 太田垣實
読売新聞 平成12年4月28日(夕刊)  展評 安黒正流

主催

滋賀県立近代美術館、産経新聞社