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企画展
シンディ・シャーマン展
会期 1996年07月06日~1996年08月18日
開催概要
シンディ・シャーマンは、1954年アメリカ合衆国ニュージャージー州に生まれた。77年ニューヨークに移った彼女は、様々な情景の中に自らの姿を登場させる写真作品を積極的に発表し、現在80年代以降の美術を語るうえで欠かせない作家として高く評価されている。シャーマンは70年代後半に、アルフレッド・ヒッチコックやフェデリコ・フェリーニ監督の50年代の映画のワン・シーンを思わせる場面のなかでキャリア・ウーマンや図書館司書など、すぐにそれとわかる典型的な女性に扮装し白黒写真に収めた「アンタイトルド・フィルム・スティル」のシリーズで美術界にデビューした。そして80年代には、作品は巨大なカラー写真となり、メディアの問題や暴力、身体、自己と社会の問題など、現代社会が抱える様々な問題を浮彫りにするような作品群を次々と発表し、また92年以降は性の問題を手掛けた「セックス・ピクチャー」シリーズを展開し、常に時代の最前線で活躍している。彼女の作品は、写真というメディアの可能性を広げ、オリジナルに対するコピーの創造性を示した点で、現代美術の最新モードを代表するものであり、ポスト・モダンと称される混沌とした現代の文化や社会の状況と密接な関係があるといえる。本展は、初期から最新作までの約90点の代表作により、シンディ・シャーマンの仕事の全貌を紹介する日本で初めての本格的な回顧展となった。なお、この展覧会は、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、東京都現代美術館を巡回した。
- 会場
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企画展示室1・2、常設展示室1
- 観覧者数
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13,392人 (一日平均 352人、一日最高 1,088人)
- 関連行事
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○講演会 「視線のありか」
平成8年7月7日(日) 午後2時~ 於:講堂
講師:井上明彦(京都市立芸術大学助教授)
○日曜美術鑑賞会
平成8年7月14日(日) 午後1時30分~ 於:講堂
講師:尾﨑佐智子(当館学芸員)
- 図録(共通版)
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299×220mm、181ページ(カラー作品図版61点、モノクロ作品図版53点)
編集:尾﨑佐智子(滋賀県立近代美術館)、白川洋二(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)、熊谷伊佐子(東京都現代美術館)、
森千花(東京都現代美術館)、帯金章郎(朝日新聞社)、西山朋(朝日新聞社)
発行:朝日新聞社
内容:○論文:「シンディ・シャーマンの20年」 森千花、「シンディ・シャーマン-境界で、境界とともに、境界から」帯金章郎、
「シンディ・シャーマンの『ヒストリー・ポートレイト』について」 尾﨑佐智子、
「闇を恐れて:シンディ・シャーマンとグロテスクな想像」アメリア・アレナス、
「シンディ・シャーマンヘのインタビュー」 福のり子
○略歴/国内における展覧会歴 ○日本語主要参考文献 ○出品リスト
- 新聞関連記事
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朝日新聞 平成8年7月16日~8月13日(朝刊) 「シンディ・シャーマンの世界」 (8回連載) 尾﨑佐智子
平成8年7月3日(夕刊) 「揺れる時代、精神の綱渡り」 伊藤俊治
日本経済新聞 平成8年7月12日(夕刊) 展評 白木緑
京都新聞 平成8年8月3日(朝刊) 「劇的な展開の軌跡」 太田垣實
産経新聞 平成8年7月28日(朝刊) 展評 (S)
毎日新聞 平成8年7月30日(夕刊) 「アートニュース」 森口まどか
平成8年8月10日(朝刊) 「潮流 ’96」 畑祥雄
- 主催
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滋賀県立近代美術館、朝日新聞社
- 後援
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アメリカ大使館
- 協力
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日本航空
- 企画協力
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メトロ・ピクチヤーズ