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本日開館

滋賀県立美術館 Shiga Museum of Art

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常設展

SMoA コレクション −女性作家特集−

会期 2024年10月5日(土)〜12月8日(日)

開催概要

 今期のSMoA Collectionは、当館のコレクションの中から女性作家にスポットを当てた特集展示です。
 ここ数年日本のアート界では、ジェンダーバランスの偏りを再確認し、それを是正することに大きな関心が寄せられています。その発端となったのは、「あいちトリエンナーレ2019」における参加作家の男女比が、概ね50:50に設定されたことでしょう。2022年8月には「表現の現場調査団」が、綿密なリサーチに基づき『ジェンダーバランス白書2022』を発表しました。
 滋賀県立美術館の状況はどうでしょうか。
 2024年3月時点でのコレクションにおける女性作家の割合は、全収蔵作家499人中67人、約13.4%となっています。2020(令和2)年度の国勢調査における人口性比(女性100人に対する男性の数)は94.7、つまり人口としては女性の方が多いことを考えると、13.4%という数字はあまりにも低いと言わざるをえません。2019年における分析によれば、東京都現代美術館、東京都写真美術館、東京国立近代美術館、国立国際美術館といった国内有数のコレクションを持つ美術館における女性作家の割合も、12%から22%と当館と同じような数値であるので、この状況は、日本の美術館全体に見られる傾向だと言ってもかまわないでしょう。
 ただ当館の場合は、小倉遊亀、志村ふくみといった女性作家の国内有数のコレクションがあります。それゆえ作品の点数ベースで考えた場合には、全体の約25%と少しあがります。また、企画展では、開館当初から女性作家の個展を精力的に開催してきたという事実があることも申し上げておきたいところです。特に2021年の再開館以降では、開催した7つの個展のうち、2022年の塔本シスコ、2023年の川内倫子、2023年の小倉遊亀、そして2024年の志村ふくみと半分以上が女性作家となります。来年度も、笹岡由梨子の個展を準備しています。
 そうした事実があるとはいえ、先に申し上げたように、当館のコレクションが男性優位となってしまっていることは否めません。それは、作家を育てる美術大学や、作品を流通させるアート・マーケットの実状の反映でもあり、またそれらが属する社会の反映でもあったでしょう。しかし、だからといって当館の現状を正当化できるわけではありません。そもそも、アートが、常識や慣習や流行に対して批判的なまなざしを持つことを特徴とするという大前提を思い出す時、それを扱うはずの美術館におけるこの現状は、大きく反省する必要があります。
 多様な性の捉え方がある現代において、この展示が「女性作家」という名称を掲げていること、つまり生物学的な性別の二元論に則ってしまっていることに対して、批判もあることでしょう。しかし、来館された皆様、当館を支えてくださっている皆様と、まずは基礎的な情報を共有することが重要だと考えました。私たちは、2021年に、収集方針のひとつに「芸術文化の多様性を確認出来るような作品」を加えた美術館として、今後も鋭意努力して参る所存です。今回の展示を楽しんでいただきますとともに、ご意見等賜ることができれば、大変に幸いです。

会期

2024年10月5日(土)〜12月8日(日)

休館日

毎週月曜日(ただし祝休日の場合には開館し、翌日火曜日休館)

開館時間

9:30-17:00(入場は16:30まで)

会場

滋賀県立美術館 展示室1・2

観覧料

一般/540円(430円)
高校・大学生/320円(260円)

※( )は20名以上の団体料金
※常設展のチケットで展示室1、小倉遊亀コーナー、展示室2を観覧可
※中学生以下、県内居住の65歳以上、身体障害者手帳等をお持ちの方は無料
◎毎週土曜日は「イシダフリーサタデー」、毎週日曜日は「木の家専門店 谷口工務店フリーサンデー」
常設展示をどなたでも無料で観覧いただけます

主催

滋賀県立美術館