石野光輝は、滋賀県立近江学園に在籍した2004年から2007年の間にさまざまな生き物をモチーフにした陶作品を制作しました。本作では、どっしりとした山状の粘土の表面を多数の突起物が覆い尽くしています。これらの突起物はキリンのたてがみを表しており、一つひとつが風になびいているかのように自由な方向を向いています。この生き生きとした造形からは、キリンが乾いた大地を駆ける音や、もうもうと立ち上る土煙の様子までもが伝わってくるかのようです。丸い目が所々に見え隠れしており、堂々としたたたずまいの中にも愛嬌が感じられる作品です。